こちらのブログは久しぶりになってしまいました!
「世界一やさしい苫米地式コーチ」として、YouTube動画を投稿して、別ブログを書いているのですが、こちらのブログでは、逆に「世界一やさしくないかもしれない苫米地式コーチ」として書いていくかもしれません。
かも、です。
私は、以前、高齢者の方と接する仕事を約8年やっていました。
このようなことがありました。
重症の妻に付き添っている夫がいました。
夫人の病気は非常に重くて、治って退院する可能性は極めて低い状態でした。
夫が話します。
「私は妻に苦労のかけっぱなしだったよ。
やっと生活も安定して、楽になってきたところで、妻は病気になってしまった。
苦労させて、良いことなかったのかな。
退院してくれれば、温泉とか、好きなところへどこへでも連れて行ってやれるのに。
楽にさせてやれるのに、退院できないなんてなあ。
かわいそうだよなあ。」
すると、私は、遠慮なく言います。
「○○さん、今の奥さんを喜ばせられるかもしれないですよ。やさしく話してあげたり、手でさすってあげたり。○○さんの気持ちは通じますから。」
すると、「そうかなあ」と言いつつ、妻に対して語りかけてくれるようになっていきます。
夫の、妻の治る見込みのない病気に対する苛立ちや、不満が目に見えています。それが、妻の心をより重くしてしまっているのです。
今妻を喜ばすことができなかったら、万一病気が治って退院して温泉に行っても、奥さんをいたわるどころか、温泉がイマイチだとか、食事がどうだ、値段がどうだなどと、文句だらけの旅行になってしまうでしょう。
もし退院できれば、という可能性のほぼない世界での「いたわり」など、幻想なのです。
しかし、現実に私たちは、この幻想の世界でのたうちまわって、「今」を見失ってしまうことが、多いのです。
(逆に「今」をしっかり見つめた方が、奇跡が起こったりします。)
それまで、私も中途半端な気持ちでは、お付き合いしていないので、本音を言えるようになっています。こうして、夫と話してみると、だんだんとわかってもらえます。
そして、夫婦はお互いに気持ちを確かめあって、希望なき明日に踊らされることなく、希望に満ちた今日、今を大切にしていきます。
高齢者の現場では、こうした命を見つめたやり取りが日常に行われています。
「今を生きる」ということです。
後悔しないために、今を生きるためにも、ゴール設定は仕事だけでなく、家庭、地域、健康、趣味などいくつも持つといいですね!
ちょっと前のものですが、鉄拳のパラパラまんがの振り子という動画を見て、感じたことを書きました。